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光受寺通信を文章でよむ

 

光受寺通信を「文章で読みたい」とリクエストがございましたので、
「住職のはじめの一節(序文)を」
そのまま文章でもお楽しみいただけるように追加ページを作成いたしました。

   
  • 2019年02月04日執筆
  • 煩悩具足の凡夫

    「煩悩具足の凡夫、火宅無常の世界は、よろづのことみなもってそらごとたわごと、あることなきに、ただ念仏のみぞまことにておわします」。『歎異抄』

     

    「火宅無常の世界」とは、火に包まれた家が、見る見るうちに滅びていくような無常の世界という意味です。そして、その世界には、真実と呼べるものはなく、すべてのものが、空言、戯言であり、ただお念仏だけが真実であるというのです。

     

    確かにこのお言葉をいただいて、世間をながめていますと、人間の煩悩の織り成す世界では真実はなかなか見えにくくなっているようです。損か得か、勝つか負けるかそんなことばかりに命を削り、駆けずり回って生きている人間の姿が、まるで地獄絵図でも見ているように思えてきたりもするのです。自分の都合ばかりを優先した生き方は、虚を生み、人を苦しめ、はては人を殺める事件にまでになっています。毎日の新聞やテレビで報道される尽きることのない煩悩具足の凡夫の生々しい姿に、心を痛めているのは私だけではないでしょう。

     

    しかしこれはまた私自身の姿であることも決して忘れてはならないと思うのです。空言、戯言に振り回されてばかりの私であった自覚こそが、虚しく過ぎ去ろうとしている人生を、実り豊かな人生へと導いてくれる手掛かりとなるのではないかと思われてくるのです。


     

  • 2019年01月06日執筆
  • ボーッと生きていられない

    「ボ~ッと、生きてるんじゃないよ」。例のチコちゃんの言葉ではないが、今までの人生を振り返れば、時代に流され流されて、ただボーッと生きてきたような気がしてならない。与えられている世界を改めて見つめ直す機会や、心の余裕もなく、ただ漫然と生きてきたのではないだろうかと。

    さて、今年は亥年である。干支の最後の年でもあり、元号「平成」の終わる年でもある。そしてまた私の干支ともなる年である。

    この区切りの72歳を生きるにあたって、改めて自分が「生かされている」ことの意味を真剣に問うていくことがなければ、このままただボーッと一生が終わっていくような気がしてならない。チコちゃんの言葉を、ただ笑ってやり過ごすことなどできない気がしてきたのである。


     

  • 2018年12月07日執筆
  • 空過

    今年もまもなく過ぎ去ろうとしています。皆さまとって今年はどのような一年であったのでしょうか。私はどんな状況にあろうとも、今生きて居られることへの喜びと感謝の思いを持って生きられることを願って一日一日を過ごしているつもりなのですが、なかなか簡単なことではないようです。すべてが「あたりまえ」になりつつある世の中にあって、ただぼんやりと「あたりまえ」を享受して生きているだけだったような気がしてならないのです。

    空過。そんな一年がまもなく過ぎ去ろうとしています。「いたずらにあかし、むなしく月日をおくりて・・・」。お文(2帖の12)がしみじみと思い浮かんでくることです。


     

  • 2018年11月07日執筆
  • 報恩講への思い

    そろそろ「報恩講」のことが頭をかすめる時期となり、心の準備を調えていかなければならない。そう思っていたある日の朝、月命日にお伺いしたお宅で、私と同じ思いでいてくださるご門徒さんがいてくださいました。

    「おはようございます」。その方は、雲一つない青空の下(もと)庭先の畑で「だちきり」(土の表面の草を削り取る農具)で草掻きをしていらっしゃいました。病弱でとても畑仕事ができる体ではないと思っていましたが、意外にも畑に立っていらっしゃったのです。「大丈夫ですか?」。青々とした大根の葉や、サトイモの育つ中で、「ええ、今年も「報恩講」にお供えができるよう、少しずつですがやっています」と。私は思わぬ言葉に驚きましたが、改めて多くの人に支えられながらの「報恩講」なのだと、有難くもあり、大変心強くも思われましたことでした。

    本山では親鸞聖人の御命日に合わせて11月22日から28日まで報恩講が営まれます。また全国の末寺でも、この前後の期間には報恩講が営まれるもっとも重要な法要です。この日に合わせ、ご門徒が芋や、大根、蓮根などを持ち寄り一汁三菜のお斎(とき)を作るのです。お斎は持ち寄った者と分け合っていただく者との思いが重なる尊い食事です。光受寺もこの方をはじめとして、多くのご門徒の方々の思いが届けられ、多くの方々のお力によって今年も報恩講が勤められると思うと、感慨深く思われます。


     

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